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始まってから10分間、弁論は全く進行しない。訳が分からず、もたついている様子だ。
沈黙時間が流れていく。人を呼び出しておきながら、一体いつまで待たせるのだろうか?
いい加減にしてほしい… 何かが進行できない大変な事態が起きているようだ。
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私はついにしびれを切らして、沈黙を破って質問した。「あの、いいですか?。」「ちょっと待って下さい。」 …まだしばらく沈黙が続いた。「…こちらが、お渡しした書類があるんですけどね…。」「…。」「それを先にしてもらえませんかね?。」「えー、それでは甲○号証…提出があったから甲1号証から、甲第…甲第27号証については…。」
裁判官は催促されて、仕方なく慌てて話し出したが、話の先が続かない。かなりの心の動揺と葛藤があるようだ。しかし話を急に切り替えた。
「…えーと、今#さんは出られませんか?あの、書面の提出のほうは、本人が出頭しないと出来ません。不出頭であれば書類の出来ませんので、出頭されれば、お出しになったものを抽出を致します。」 「しよんなかたい。」「ん?、いやいや、その、あの一応提出してますよね。事前に。」「訴訟上の提出するためには、こちらにお出になって、裁判所の方は。」「いや、それは条件としてですよ、(相手側が来られたらね、出頭しよう)ということに、話したんですよね。電話で事前に。」「裁判所のほうは、代理人が来られれば本人が出頭されたと見なします。では、出頭されないということでよろしいですね。」「いや、いや、だからですよ、(釘本さんが、家族がですね。一人でも来られれば、出頭する形にしよう)と思ってたんですよね。 あの、裁判官は…。」「…。」
「あ、お、来られている?あー?えっと息子さんですか?、はー、いや、初めて、フフ、お目にかかるからですね…近くでありながら…。」「じゃあ、来られているということで、じゃあお出になられますか?今#さん。」「えーと。」「座られますか?出頭されますか?。」「あのー、一応…。」「私は今#さんにお聞きしてます。出頭されますか?出頭扱いにならないと、何の書面もお出し出来ませんよ!。よろしいですか?。」「保険会社の人は見えてないんですか?。」「保険会社は来てません。」「はい?。」「来てないと思います。」
「だからね、電話で言ったんですよ、(公正中立にやってくれ)と。それが条件でね。出頭しますと。だから…。」「あの公正中立は、裁判所は公正中立です。で、本人さんが出てこないと、何も訴訟が進行できません。」「いや、だから、その条件としてね、公正中立にやってくれるという前提があれば、出頭しますよ。被告の席に。」「公正中立にやっておりますので。」「いや。」「前に出られませんね。」「いやいや、そうじゃなくて。」「あ、もう結構です。えーでは。」「おー?。」「本日は被告は出頭していなかったということでよろしいですね。出頭は…。」「出頭は傍聴としてね。」「よろしいですね。」「傍聴として、(様子を見てからね、決めます)と。」「えー訴訟上…。」
「原告がですね。原告の席に座られたら座ります。」「…。」「だから傍聴でしょう。だったら対等でやって下さい。」「原告ではないんで。」「え、原告でしょう。釘本さんが原告で訴えられたんでしょ?。」「原告は釘本春喜…。」「ああ、その奥さんとね、息子さんでしょう?。だから、そのね。」「分かりませんが。」「だからね、当人がくればいいんですよ。」「よろしいですか!、では、えー、今日、本日は本人は出頭されておりませんが、裁判所の方としては…被告に対して…一応。」「ちょっと待って下さい。」「…。」
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だが、被告の意見を全く聞こうとしない。次の日にちの話を勝手に進めていこうとしている。「ほう…。」私は裁判官の判断に驚いた。話を聞かない対応にあきれてしまった。「では次回の期日を…●11月28日木曜日午後30分ではいかがでしょうか?。」「…。」●「11月30日金曜日午後1時では、いかがでしょうか?。」「…。」●「では11月○日はいかがでしょうか?。」
●原告の弁護士に、次の都合のいい日を●何回か聞いている。 「原告である当人が出頭しないのはおかしい。」と主張する、被告の意見などは全く意見を聞かずに、相手の弁護士に次回の日にちが、いつがいいのかを聞いている。勝手に一方的に打切ろうとしてる。 12月5日10時45分に次の口頭弁論の期日が決まったようだ。
「それでは閉廷します。」 ガタン! (椅子から立つ音)ガタン 皆、一斉に席を立って法廷を出ていった。 二人は置き去りにされた。
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