自動車の件は一応、保留となったので、今月は、車で市役所に向かった。給付金を受け取る建物の前に駐車場があるので、そのまま空いている一角に入り、少し時間を待った。 入口ドアに一人の男がキョロキョロしていることに気が付いた。
しばらくして車のドアから出て、建物の玄関に向かった。入口のところにいた見張り番らしき男が、こちらの様子をじいっと伺っていた。「こんにちは」「・・・」 返事をしない。あまりにも険しい顔をして人の顔を見ているので、妙に薄気味悪い、嫌な予感がした。
給付金の受取りを済ませ、振り返ると、男が私の顔をじっと見ていた。気持ちの悪い鋭い視線に、目を合わせるのを避け、「どうもー」と、頭を下げて元の車に戻った。
ところが、運転席に座った瞬間に、急に後ろからもの凄い速さで走って追いかけてきた。コンコン!とガラスを叩き、話しかけてきた。「ちょっと、開けて」「はい?」「生活保護者は自動車を手放して貰わないといけない筈だけど、」「え?、今、僕は保留中になってますが・・・」「担当者は誰?」「あ、○○さんですが・・・」「ほう、うん、判った。」
男はニコリともせず、すぐに隣の建物の市役所の方に向かっていった。(一体どういう理由で、車の所持を許可しているのか?)を、急いで聞きに戻っていったようだ。(あ、やはり、ここに停めたのは、まずかったかな・・・)と私は、ようやく思い当たった。急いで車を出して、市役所の玄関前の駐車場の方に移った。
しばらくして、いくつか他の用事を済ませて、再び糸島市役所に向かった。階段を上る途中でテープの録音スイッチを入れ、ジッパーを閉め再び階段を上った。 (後で聞くと、雑音が激しくて聞き取りにくい。最近はどうも機械の調子が悪いようだ。)
「どうも、こんにちはー」 応対している○○担当者の顔が見えた。だが何故か彼は目を合わさず、あえて私と応対しない。「?」隣の女性が近づき声をかけて来た。
「こんにちはー、担当はどなたでしょうか?」「ああ、担当は○○さん、」「ああ、今ちょととり込み中で、」「はあ、ちょっと相談がありまして・・・」「あ、あの今日はちょっと」「ええ、」
・・・・・・・ 省 略 ・・・・・・・・
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