母は不審な引落しがあったゆうちょの支店でもある、福吉郵便局に行った。 母の顔を覚えていた久保 郵便局長氏が対応した。
「お世話になります。手紙が来とりましたですたいね」「はい」「で、ですね、不審な点がいっぱいありますとですたいね」「はい」「この封筒で来ましたとですたいね」「はいはい、ちょっと、見てもいいですか?」「いいですよ。コピーしてきましたから、 これは通帳の分もですね」「これも入っていたんですか」「いえいえ、別です」「コピーですね、ああ」「この封筒も郵便局で扱ってあるものですか?」「郵便局がですね、昨年、民営化して、貯金関係は、ゆうちょ銀行で扱っています。あります。裁判所とか差押命令とか対応する所で、間違いありません」
「差出人は書いてますね」「書いてあるけど誰の名前も、判も書いてないでしょ」「・・・」「そうすると、11日に引き出しとりますが、15日にきとります。16日にこれが通知と一緒に着たんですよ」「ああ、裁判所からの」「差押命令と一緒に」「先に引き落とすとはどうゆうことですか?」「口座から落とすわけだから、事前に連絡すべきだと思うんですけど、あのう、事務センターに、その後に聞いたんですけど、(お金が落ちるかどうかは、債権者だったり、裁判所からだったり、そう言った事前の連絡があると思います)ということでした」
「そういうデタラメな事をね、されれば、ですね、色んな事件が有りよりますでしょ。今日も事件が、みんな上手になって、裁判所とか警察とか、消防署とか名のってくるでしょうが、高いものを取り付けしたりなんか、色々あるですよ。毎日有りよるからですね」「ありますよね」「そういう処で見てると、そんな処の事件じゃないかという気がするんですよね、サギやないかと思ってでね、そういう処を、よーと調べて貰えないでしょかね」
「えっと、こういう手続きをした事が間違いないかどうかを調べるんですね」「は」「こういう手続きをしたというのが間違いないかどうかを調べるんですね」「あのう、息子がこれ、手紙を書いとるから、ちょと見て貰らえませんかね」「ああ、はい、ちょっと、お待ち下さい」 久保局長が、手紙を読んでいる間、母はしばらく椅子に座って待った。
依頼書 1枚目「………」 2枚目「………」
「この郵便物はまだ受取られてないんですね」「え」「この郵便物は受取られてないんですね」「はい、受取ってないからですね、これ、代わりに受取って貰えませんかと思ってですね」「郵便局ではですね、差出人が受取り様に宛てて出してあるので、私達が受取りして、開ける訳にはいかないんですよ」「ああ」「ただ、書留で来てますので、この23日の期日まで、受取りされない場合は、裁判所の差出人に返されます」「今日まででしょ」「そうですね。23日までという事で出されてますから、書留とか、特別送達は差し出されれば、やっぱり郵便局側では、前原の局の方で」
「いえ、これはね、色んなね、裁判所に行った時にですね、裁判官そのものがですね、無視してしもうたでしょ。途中で引き上げられてしまうんですよ」「ああ」「(色々意見が有りますか?)と言われたからですね、(言いたい事はいっぱい有りますよ)と言ったのに、意見を聞かずにさっさと引っ込まれました。こういう事されると信用されんと」
「話を聞かないと、裁判にならんでしょうね」「大体、裁判になる話じゃないでしょうが、損害賠償も何もして貰ってないとですよ」「この前から、今川さんの話を聞いていれば、どげん考えても、どうも今川さんが、被害者のごたるようやがなあと」「これ見て下さい。中から見たとですよ。家に入っとるでしょうが これを出さんのですよ弁護士が、損害賠償も何も貰ってないんですよ。一応、そこを目を通して下さい」「何でこれが、今川さんがお金を払う事になるんですかね?」
「そこが不思議でしょうが」「うん」「だから、こんな事をするのは、サギのする事でしょ」「うん」「それが前もって、通知をやっといて、引くとなら判るですけど、こっちがなーんも通知もせんで、するとは全部、サギのする事でしょ。あなた方が知ってあるごと、これは生活の糧にしとりますよ」「はい」「役場の支払いとか、こんな事で、生活されんようになったら、(役場に払われんから、どうしてくれますか?)役場にいかんといかんでしょ。これは、あんた、だんだん(事件が)ふとうなるでしょ。ここだけではなく、こうなると、ね」「で、これはあの…」
「何もかも、あれしとるけん、電気や水道、全部、あるから、それを差し止められたらどげんなりますと?、ね、裁判所に「殺す気か!」と訴えようごたるですよ。 もう我慢出来ません。もう1年半も待っとるとい」「私も、何が今川さんが、どげんなって、こんな話になるとかですね」
「これ見らっしゃったら、ここまでほら、押し込んでるでしょうが。これは外にあったとですよ」「ああ」 事故の写真を見せた 「外に有った物が、全部崩してしもうて、押し込んで、中に入って、この上に車が上がってるとですと。崩して、調査員は現場も見ているのに」「この案件で」「ああ」「「この案件で、いくらかの弁償支払があったという事は無いとでしょ?」「1円も」「払い過ぎたという事では無いとですもんね、弁償、全く理解出来ませんね」「押し込んだでしょ、そいで、椅子の部分が入って、車が中々出なかったんですよ」「調査員のミスですよ。保険会社の調査員は、この現場を見とるとですよ。保険屋」「この写真は今川さんが撮られたんですか?」「いえいえ、近くの人が撮ったとですけどね」「…今川さんは被害者だからですね」
「押し込んだものだから、その上に乗り上がってるでしょ、電動車の椅子の支柱の上に上がって、引っかかって中々出らんやったとです。保険屋の調査員、1級建築士と名刺に書いてあるとですよ。それで、家のほうは全然見らんのにですよ、どう間違ったのか知らんですけどね、弁護士の手紙では、近所に事故があって、スリップして家に当たった。と言うて来たんですよ。それも嘘やから、近所には事故はあっとらんと。家に入って来とるとだから、「もう1度、調査して下さい。」と頼んだんですけど、来ないんです」「・・・」
「そいで、嘘ばっかり書い来とるとですよ」「スリップして、あのう、飛び込んだにしても、今川さんには何も非も責任は無いですからね」「そいけん、これ、午後からですから、飛び込んで来たのが、午前中に玄関におったんですよ」「ああ、そうね」「ひょっとしたら、事故に遭っているかも知れんとですよ。これを見て、調査員は、(あら、これ前からここにあったじゃなかとですね)と、聞くから、何んば診よるとか?て言いたいとですよ。(外に有ったんですか?)って。それから、後からですけど、電動車を入れたり出したりするのに、2枚戸じゃ入らんから、3枚戸にして貰おうと頼んだ時に、差額を出すからって、(横に押してズラしたら)と言うけど、そんなに軽いものじゃないですよ。て、3、4人で抱えたって押しても動かんですよ。「そんなん事も知らずに調査員がやられるね、」と怒ったとですよ。ハッハハ」
「ひどいですね、そしたらですね。私ども郵便局としては、裁判所は差押の、何というか、権利というのがあって、それで(差押えなさい)と裁判所からの命令があったら、そういった手続きをせざるを得ない。という事を。だけど、ただ私は、今川さんの話を聞いて、おかしいと思いますが、そうは言っても、福吉郵便局で何も出来ない。これですね、私が頂いて、えー、ゆうちょ銀行の方に提出しましょうかね」「はい、そうやって調べて下さいよ。そして誰が申し込んで、誰が金を受け取ったのか、そこまでちゃんと調べて下さいよ」「ああ、なるほどね」
「お金がどうなっているのか?、これは返って来るのか…というのも聞いとかんと」「え」「どげんしたら返ってくるのかというのを?」「そうです。それで、誰が申し込んで、誰が受け取ったのか調べて貰ったら、こちらであとはやりますから、はい、調べて下さいよ」「はい」「ちゃんと釘本春喜と書いてあるでしょ。こんな事を依頼する資格も無いですよ。痴呆症で、嫁さんの名前も判らない人が、弁護士が書いているとじゃないかと想像しとるとです」
「裁判所のほうからでは…」「あんた達が調べてみらっしゃったらいいです。 高橋弁護士、ね、事務所があるとですと、で高橋弁護士は、元、裁判官をした事がある人」「これですね。ここに連絡されたんですか?」「ええ、しましたと」「ここは何と言われたんですか?」「え?」「その時、何と言われたんですか?」「それがハッキリと、よう、判らんとですたいね」「ゆうちょ銀行としたらですね」「はんこも誰か調べて下さいよ」「はあはあ」
「あれやったら、コピーしてやらっしゃら、よかですよ」「そうですね。これは頂いて、これは、本物は頂く事はいいですか?」「え」「これ自体を貰ってもいいですね、今川さんに」「これですか、はい」「コピーしたものをそちらにお返しして」「ああ、はい」 |